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【国際陸連】ナイキ厚底シューズ 新規則により禁止!?市民ランナーの意見は!?【ヴェイパーフライ】

【国際陸連】ナイキ厚底シューズ 新規則により禁止!?市民ランナーの意見は!?【ヴェイパーフライ】


ちょっと異議ありなニュースを見かけました。

【ロンドン共同】陸上の長距離で好記録が続出して注目されている米スポーツ用品大手ナイキの「厚底シューズ」が、世界陸連の新規則によって禁止されると15日、複数の英メディアが報じた。

ナイキ厚底シューズ

ナイキ厚底シューズ「ヴェイパーフライ」シリーズは、ミッドソールに軽量・クッション性に優れたズームX、さらに推進力をつけるためのカーポンプレートが埋め込まれた米ナイキ社が開発したシューズで、近年のマラソン駅伝シーンで多くのシェアを獲得しているシューズです。

↓↓↓↓2020年箱根駅伝 映る選手すべてがナイキ厚底シューズ

この厚底シューズが出てきたのは遡ること2~3年ほど前から。「ズームフライ」シリーズから始まり「ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」「ズームフライ フライニット」「ズームフライ3」「ズームX ヴェイパーフライネクスト%」などといった亜種を生み出しながら進化を遂げてきたもので、発売の度にネット上では高額で取引され新作がなかなか買いづらいといったものでランナー界隈では話題でした(ここ最近は供給が追い付いてきましたが)。

↓↓↓↓ナイキ厚底シューズ 高値での取引状況(当時)

■ズームフライ(定価:¥14,025)
発売当時のメルカリにて(コメント欄に “市場価格では¥4万の商品” とあります)

■ズーム ヴェイパーフライ 4% (定価:¥30,250)

こちら限定品のためそれなりの値がつけられています。にしても高い。

■ズームX ヴェイパーフライネクスト%(定価:¥30,250)

この辺りから定価に近い価格での出品が増えてきています。

これら厚底シューズが注目される理由は、昨年行われた東京オリンピック日本代表を決めるマラソン・グランドチャンピオンシップをはじめとする各種マラソン・駅伝大会で多くの選手が採用していて(2020年の箱根駅伝では約8割の選手が着用)、設楽選手、大迫選手による日本最高記録の更新および非公認ながら人類史上初めてマラソンで2時間を切ったキプチョゲ選手がこのナイキの厚底シューズを用いたことが挙げられます。

これら厚底シューズを履いた際の第一印象としては、全製品で共通して「ミッドソール(特に踵部分)がとにかく柔らかい」ことです。なので硬めのソールを好む方は違和感を感じるはずで、例えると砂浜を走らされている感覚。だからシューズに合わない走法だと足にもダメージが及びます。具体的には僕の場合、ふくらはぎの肉離れ・ひざ関節の痛み・かかとの痛みが3ヶ月ほど続きました。

ただ、走り方をこのシューズに合わせることができれば手放すことのできないものになり(個人差はあると思いますが)その名の通りいつもの感覚よりも数パーセント楽に速く走ることが可能になります。

↓↓↓↓ズームフライ3を履いてのトレーニング映像です

新たな規制が及ぼすランナーへのインパクト


ちなみに禁止が検討されている理由として記事では以下の言及がされています。

「競技に使用されるシューズは全てのランナーが合理的に利用可能でなければならず、不公平なサポートや利点を提供するものであってはいけない」とありこれに抵触するかが焦点になっている

とのことなのですが、公式な発表が待たれる現在の僕の予想は「禁止には至らない」。なので「選手へのインパクトも無い」です。理由は以下の3点。

  1. ナイキの厚底シューズは「全てのランナーが合理的に利用可能」だから
    今や僕たち一般ユーザーでも容易に購入することができる程度に供給が追いついており「全てのランナーが合理的に利用可能」です。メルカリでも今や定価に近い価格でしか出品されていません。
  2. 各社同様のシューズの開発が進んでいてナイキへの追随が進んでいる点からしても不公平なサポートや利点が提供される状況でなくなりつつあるから。
    ちなみに今年箱根駅伝を制したアディダスのサポートを受ける青山学院大学でも、今年からナイキの厚底シューズが解禁されました。すなわち、スポンサー側においてもサポートする選手が勝つために自社製品によってがんじがらめにすることなく選手がシューズを選択できる「アスリートファースト」の考え方が浸透されつつある世の中になってきたということ。日本でこう言う状況なのだから世界の視点から立って見ればこの改定案が異質なものであることは誰の目から見ても明らか
  3. 反発力を持ったカーボンプレートの入ったシューズはトラック競技で使われるスパイクシューズでも既に使われているから。なぜロードレースに関してのみこういった改定案が出てくるのか、ツールの進化によって競技成績が向上していくことがなぜ否定されるのか甚だ疑問。例を挙げると自転車競技なんて今や電動でシフトチェンジされる機構が採用されていてトッププロが世界の舞台で用いています。スポーツの場面で電動機器が認められるそういう時代でもあるのです。要するに、はっきり分かるのは、くだらない既得権益を手放せない権力の濫用者が陰にいることが見え見えだということ。彼らが何を守ろうと考えているのかは分からないけど、この改定が通るようなら陸上競技始め近年のマラソンブームもそう長くはないでしょうね。

最後に


一市民ランナーとしては今の国際陸連の会長はイギリスのセバスチャン・コーと言う人物らしいけど、どういう経緯でこんなつまらない改定案を出してきたのかしっかり説明してもらいたいし、この規制が国際陸連自体の首を絞めているということをよく認識して欲しいね。

正しい手続きに則り規制を加えることは否定しないけれど、規制の検討にあたっては「楽に速く走れることはとても気持ちがいい」という、この ”ランナー心理の原理・原則” を理事たちは強く念頭に置き冷静かつ慎重に審議を進めてもらいたいと心から思う記事でした。

■追記(2020/1/29)
”厚底シューズ禁止見送りか。世界陸連31日見解表明へ。” だそうです。こうなると東京マラソンでお披露目されるヴェイパーフライNextアルファも認められるのかどうか。31日見解表明が待ち遠しい。

■追記(2020/1月/31日)

厚底シューズ、条件付きで解禁されましたね。
条件としては以下の通り。何にしても禁止よりはよかったですね。そしてナイキはこれを見越していたかのように条件すれすれの新作を発表するとか。頭もいい人がいるもんですね。ナイキには。
おそらく五輪はナイキのプロモーション中継になるでしょうね。と言うか買えたらいいな。すごく興味深い。
・大会前に4カ月以上市販されていること
・靴底の厚さは4センチ以下
・反発力を生む埋め込みのプレートは1枚まで

■追記(2020/2/29)
本記事の “厚底シューズ” 入手しました。ズームフライ3との比較記事を書きましたのでご参照いただければと思います実感として、控え目ににいってヴェイパーフライ NEXT%、買いですね。
アルファーフライも明日の東京マラソンでお披露目ですが。物欲には際限ななくいかんですね。

■追記(2020/9/10)
残念ながら、アルファフライをはじめとした厚底シューズに関して800m以上のトラックレースでは使えないルール(ソールの暑さの上限は25mmまで)となりました。またロードレースでも厚底の高さに制限が国際陸連により規定されました(これは前回の追記からまもなく発表されていましたが、ソールの厚さは40mmまでとのことです。

参考)日本陸上競技連盟公式サイト「WA規則第143条(TR5:シューズ)のルール再改定について(通知)」

もりぞう

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Moriko